桐は古来より鳳凰が留る高貴な樹とされ、日本では女の子が生まれるとすくすくと育つように願いを込めて庭先に桐を植える風習もあったようです。さらに、嫁入りの時にその桐で箪笥などの嫁入り道具を作る風習もあり、一部の地域では現在でも続いています。
CHOCON(チョコン)はそのような桐の縁起を伴い、桐本来の手触りと質感を感じて頂くための乳幼児用の椅子として、「大阪泉州桐箪笥」の伝統工芸士の方と共同で開発しました。実際に使って頂ける品質の高い子供椅子を通じて、桐という素材の特徴ならびに、大阪泉州桐箪笥とその技術に触れて頂く機会となることを期待しています。
桐の風合いを活かすために、仕上げはペーパーで木目を潰さないカンナ仕上げとし、さらりとした手触りを残しています。また、置き方を変えることで座面の高さが変わり、子供の成長と共に使い方を変えることができます。最も低い138mmの1歳児の子供椅子から、210mmの6歳児の椅子、そして最後には300mmの大人用の座敷椅子または腰掛けとして、可能な限りそれぞれの年齢で使い安い寸法と形状を目指し、幅広く長年に渡って使い続けることができます。
さらに座面後部には手掛りになる隙間を設けることで、小さな子供でも軽く持ち上げられ、運び易くしています。側面は、伝統技術の蟻継ぎを見せるとともに、座面板が浮いているようホゾを切って軽やかな印象を持たせることを意図しました。
桐は柔らかく畳を傷つけないので、さまざまな場所で使うことができる。マンションの玄関で靴履き時に使うベンチにも適している。
子供が大きくなっても捨てずに使い続けられ、桐の性質と職人の腕を確認して頂けることを期待している。
──────────────────
1)0.6〜3歳児用/SH=138mm
腰が据わらない乳幼児でも背もたれと手摺が高く、転けない。
──────────────────
2)2〜6歳児用/SH=210mm
一般的な椅子を小さくしたようなプロポーションで、背もたれと手摺が付く。
──────────────────
3)大人用/SH=300mm
大人用のベンチ。中央が凹むように座面を作っており、長時間でも疲れにくい。
──────────────────
*SH = Sheet Hiehgt
座板と背もたれの間には手掛りとなる隙間を設けており、運ぶ際に持ち上げやすくしている。
部材の隙間は、軽さを形態的に表現することも役だっている。
座板の一部をホゾとして側面に表し、座板を後ろから差し込んだような形としている。
ホゾには貫通させて表す方法と、途中で止めて隠す方法の2つがあるが、CHOCONでは部材の組み合いを装飾的に扱うために表しにし、さらにホゾの四周を面取りして強調している。
「初音の家具」として有名な田中家具製作所は1919年創業、伝統的工芸品「大阪泉州桐箪笥」を製造販売されている。
原木から仕入れた高品質な材料と、多数の伝統工芸士を抱える高い技術を持ち、全国でも最高峰の桐箪笥を手掛ける。
蟻継ぎや木釘といった大阪泉州桐箪笥に使われている伝統的な技法で、堅牢に組み立てている。
CHOCON DATA
design : 乾 陽亮
manufacturing : 田中家具製作所
photo : 梅田 彩華
販売価格:¥40,000(税別)
ご購入などの相談は田中家具製作所(初音の家具)まで。
株式会社 田中家具製作所(初音の家具)1919年創業
〒596-0004 大阪府岸和田市荒木町2-18-5
TEL.072-443-8835
FAX.072-443-8837
Email
URL http://www.hatsune-kagu.com
本メール内容についての問い合わせ先
乾陽亮設計事務所
www.inuiyosuke.jp
Email newsletter[at]inuiyosuke.jp