2010年に立ち上げた現代折形のプロジェクト“A4折形”の新作。
細い匂いで装飾したぽち袋シリーズ「細(ささめ)ぽち」です。折形を捉え直す機会があり、4年ぶりに新しくA4サイズで折れられるぽち袋3点を考案しました。
A4折形では、コピー用紙でも見栄えするよう紙の端部を表に出さないように設計していましたが、折りが煩雑になりがちでした。細ぽちは裏面はその規則を廃し、より伝承の形に近づけた簡素で繊細なぽち袋です。薄い和紙が適しています。
A4折形はA4用紙を折って「ぽち袋」や「CDケース」などを包む紙作品をデザインし、折る型と印刷する色や柄のPDFをウェブサイトで発表しています。また色々な方と折形と関わるさまざまな取り組みおこなっています。
折形とは、室町時代より伝承されて来た紙で物を包む儀礼作法。古代から紙垂や御幣などで使われるなど、薄く純白の紙を折り出すことは儀礼と祈りの表れと捉えられてきました。相手への心遣いを贈り物や室礼に込める行為として継がれていましたが、現代では結納品や祝儀袋などで一部で見かけるものの、折形の文化はほとんどが廃れています。しかし、折形に込められた心やその形自体は大変美しく、日本人の心に響くものがあるような気がしています。特に昨今の情報社会や流通社会と呼ばれる社会での生活の中でこそ、その手間を掛けて生まれる佇まいの価値が際立つのではないかと期待しています。
伝承形は、伝承折形の金封包みをA4用紙で折られるように調整し直しました。単純ながら美しい形です。
紅と碧の2色あります。
PDFダウンロード: http://www.a4orikata.jp/ja/works/ds/0/3/58/
巽(たつみ)は、伝承折形を参考にした形です。
紅と紫の2色あります。
PDFダウンロード: http://www.a4orikata.jp/ja/works/ds/0/3/59/
一条(ひとすじ)は、最も基本的な包みのひとつ、畳折りの形に横一本に匂いを通した包みです。
紅と藍の2色あります。
PDFダウンロード: http://www.a4orikata.jp/ja/works/ds/0/3/60/
折形の技法を活かし、パッケージや商品開発にも取り組んでいます。
京都の辻徳のために開発した左の「折形懐紙入れ」は経済産業省によるThe Wonder 500™にも認定されています。
The Wonder 500™:https://thewonder500.com/product/%e6%8a%98%e5%bd%a2%e6%87%90%e7%b4%99%e5%85%a5%e3%82%8c/
「折形懐紙入れ」は京都の辻徳のウェブサイトからご購入頂けます。http://www.tsujitoku.net/origata/
A4折形 DATA
design: 乾 陽亮
Publication Date: 2010.09.09
URL: http://www.a4orikata.jp/
本メール内容についての問い合わせ先
乾陽亮設計事務所
www.inuiyosuke.jp
Email newsletter[at]inuiyosuke.jp