乾陽亮設計事務所のデザイン NewsLetter #7

京都真葛焼 宮川香斎家の茶の湯の器 2016 Paris

折形に倣うデザイン

京都真葛焼 宮川香斎家の茶の湯の器 2016 Paris

京都真葛焼 宮川香斎家の茶の湯の器 2016 Paris

京焼を代表する窯のひとつ、真葛窯。1900年のパリ万博で大賞受賞以来、パリで真葛焼に本格的に触れていただく約100年ぶりの催事が開催されます。その催事のリーフレットなどのデザインで協力させて頂きました。
京焼は多様ですが、ひとつの特徴に風雅な上絵による加飾があります。中でも季節性を伴う上絵付けや造形は、ほぼ京都でしか見られません。今回も季節に合わせた「百合と青楓」が茶会の主題であり、それを強調するように考えています。
要望や使い方から、今回はA3のポスターを小さく折り畳む印刷物が妥当だと考えられました。しかしポスターとしても使われるので一般的な折りパンフのようなページ構成と言ったシステムは取り入れられないし、折り畳んだ状態にペラッとした表紙を付けた状態も避けたいと考えました。そうして残された方法の中で最適解を見つけること、つまりこのリーフレットはどのように折り畳むかをデザインの主題としています。

その解答は折形の手法に求めました。位置を調整して折り畳むことで、折形に倣ったような形が現れる。折った状態では、左側にはポスターの茶盌の一部が現れ、あたかも「青楓」の上絵付けのみを抽出したように折り出しています。文字を記載した右側は、下の茶盌が軽く透ける程度の和紙を、折形礼法に倣い右前で重ねました。
また、手にもって広げるという行為が誘発されることから、印刷適性にも優れつつ、裏表に違った手触りがある和紙を株式会社オオウエにご提案いただいています。和紙のさらりと柔らかな触感を指先で受けながら、少し透けた折り重ねを解いていくと茶盌の全体像が現れる、という仕掛けです。


IMG: 右前で重ねた片身替り

右前で重ねた片身替り

片身替り(左右半々で模様や仕上げが変わるかたち)で右側を文字、左側を焼物の絵付けの部分写真として、折形に倣い右前で重ねている。


IMG: 内面

内面

ポスターとして使用する内面。


IMG: 外面

外面

スミ1色の印刷面。折ることで内側のフルカラー画像が表に現れる。


催事「真葛焼 宮川香斎家の茶の湯の器」DATA
講演会:2016年6月16日(木) 18時30分
場所:パリ日本文化会館
http://www.mcjp.fr/ja/agenda/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto_1/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto_1/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto_1
 
茶会:2016年6月17日 (金) ~18日 (土)
場所:パリ日本文化会館
http://www.mcjp.fr/ja/agenda/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto_1/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto_1/makuzu-yaki-ceramique-de-kyoto
 
後援/ユネスコ日本政府代表部・京都府・京都市
協賛/旭屋書店・SHUHALLY・京都信用金庫
協力(開催委員会)/南禅寺瓢亭・聖護院八ッ橋・松栄堂・中村松月堂・柳桜園・吉羽與兵衛
協力/とらやパリ店・月の桂 増田徳兵衛商店・西川貞三郎商店・オオウエ
輸送協力/JAL
(以上敬称略)
 
client : 真葛窯 http://www.makuzu-yaki.jp/
printing : 株式会社オオウエ http://www.ooue.co.jp/


本メール内容についての問い合わせ先

乾陽亮設計事務所
www.inuiyosuke.jp

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