今回の「おおさかカンヴァス」のガイドマップは、僕が大阪の特徴のひとつと考えている段違いや片身替りというダイナミックな構成、異物と異物が豪快に組み合わさっているさまを組込もうと考た。様々な特徴や異なる性質を持つものが一同に会し、それらが豪快に、派手に、奇抜に現れている紙面を目指している。具体的には、背景はグレーの地に白のガッシュで描いたペインティングを竹安聖子さんに描いて頂き、カンヴァスに見立てることから始めている。そこにCMYKの原色を重ねていくことで紙面を作っていった。表面と内面とも、紙の上下で異なる原色をべた塗りし、上下に2分割して桃山文化に大阪を中心に流行した「片身替り」や「段違い」という段を作る構成を採用している。それぞれの段はそれぞれ異なる文様(世界)と見立て異なる掲載物を配置することや、また同一の素材であっても地色が異なることで発色が異なるようにした。
配色は、色々な欲望や考えが一同に集まり、それが現れている道頓堀のネオンのような雰囲気を作るためにCMYK原色を基本とし、色と色が重なり、奇抜で派手な豪快さを持つように意図している。大阪の街にそれぞれのアーティストが考えた様々なアートがダイナミックに、異物として豪快に組込まれることを寛容しつつ、楽しみにしつつ。おおさかカンヴァスで展示されるアート作品や取り巻く状況が、街中を歩いていると突然現れる道頓堀のネオン看板の林のように、大阪に一つの象徴的な風景を組込んでほしい、と願っている。それは大阪全体をカンヴァスに見立て、それぞれのアーティストが街にアートを組込む「おおさかカンヴァス推進事業」のコンセプトとも通じるように感じてもいる。
参考:大阪らしいデザインhttp://www.inuiyosuke.jp/ja/writing/id/10/3/