京都の寺町通にある、老舗のテーラー(仕立て屋)のウェブサイト。京都の老舗といっても呉服屋と違って西洋の背広を扱い、それを日本人の体型に合わせるしっかりした仕事を守り続けているお店である。もちろん表面的な和風などは悪趣味にしかならないし、かといって純洋風でもないように感じていた。
最終的に採用した手法は、簡単に格好が付くシステマティックな単純なものではなく、目ではなくクセのある手触りで考えることである。あって欲しい場所にあって欲しいように配置し、それぞれがずれて重なり、干渉し合うような要素の構成を目指した。それが行為的・空間的となり、日本的構成となることを祈りつつ。具体的には役割を持たせた領域を配置し、それぞれの役割によって遠景・中景・近景(イメージ・コンテンツ・ナビゲーション)と捉えられるような構成にした。画面全体としては面の構成ではあるが、それぞれの領域を捉える場合、他の要素はそこにあるけれど焦点が向かないように組立てたつもりである。
完全に上手く行ったとは思ってはいないが、はカタチを問題にしたいと思い始め、単なるシステム遊びから抜け出せてはいるように思っている。