誠晃貿易が良い素材を探し、それを中村屋が丁寧に炊き上げた甘納豆のパッケージ・デザイン。甘納豆は自然の素材を砂糖で炊くだけのごまかしの効かない和菓子である。
独自製法で炊き上げた食感はやわらかく素材の味も上質なもので、設定された価格帯を考えると相当に美味しいものだと感じた。しかし素材と製法にこだわっているため、控えめだけど「ちょっとした贅沢」の価格になる。専門店ではなく流通に載せる商品であったため、店頭で「ちょっとした贅沢」を感じてもらうことを課題と捉えた。つまり、甘納豆は製品の状態では見た目の華やかさに欠ける。
素材を表現するためにパッケージにはその植物の細描をイラストレーターの樋口真規氏に依頼した。該当の豆などは実際のものを徹底して写実的に描いていただいている。それら沸き立つような色の上に並べて模様をつくり、タイトルなどは伝統的なデザインである子持ち枠の中に納めて、和の華やかさがあるパッケージとしている。
日常のちょっとした贅沢なお茶請けやおもたせとして、ほっこりとしていただく時間を提供できる商品と感じていただければ嬉しく思う。