秋田の伝統的工芸品「大館曲げわっぱ」の銚子に京都の伝統的工芸品「京焼・清水焼」の絵付けが施された蓋を組み合わせた商品。
曲げわっぱは秋田杉の流れるような木目が美しい木工品。江戸期から作られている銚子は冷酒器として魅力はあるが、ほぼ単一の素材で作らるため素朴で加飾性が低い。ここに他の加飾性の高い伝統工芸を合わせられないかと、付き合いのある京都の西川貞三郎商店に相談させていただき、商品化の運びとなった。清水焼は専門性と多様性を特徴とし、各工房の技術を組み合わせることで生まれるものである。それが他の産地へと広がることも違和感なく取り入れてもらえたと感じている。
曲げわっぱそのものは素朴で地方色の強いもの、やや慳貪に言い換えると“田舎臭い”もので、ひとくちに伝統工芸と呼ばれても曲げわっぱと清水焼ではその背景に大きな違いがある。組み合わせて楽しむことは“都市の文化”であるが、情報と流通が平滑化する中、地方と都市の距離はもう少し縮まって良いのではないか。洗練された文化性を地方性に組み込んで生まれる魅力はある。その理念を“伝統工芸”に与えることに、もう少し期待してみても良いような気がしている。http://www.t-nishikawa.co.jp/ja/catalog/?q=%E6%9B%B2%E3%81%92%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%B1