A4折形の展示を行うことが多くなった。保存・展示・持運びを考えて頑丈な展示パネルを作ることにした。
A4折形は、折形に縁起や季節性を折り込むことを重要視しており、展示には物だけではなく説明が必要であると考えている。様々な場所で展示することを考えると、展示の手間を省き、実物と説明が一体となって置ける形が良いが、印刷パネルだけでは折形の背景としてどうしても安っぽさが出てしまう。和紙に印刷するにしても、折形自身の和紙を折り重ねる質感を損なってしまうように感じた。そこで桐箱の中に印刷したパネルを貼付け、その上に折形の実物を設置することにしている。
桐は安価な材だが、日本では保存容器や贈答品の箱として重宝されている。さらには奥行きを持つ箱であり、その深さがある種の結界のように働き、背景を選ばない。単独で立てることができ、平置きも可能である。保存も作品が壊れる心配が少なく、箱に収めてしまえば持運びもたやすい。保存と展示の品質を考え、さらに安価にできる方法として、パネルのフレームを桐箱にすることで様々な問題を解決している。