フリーズの数学 スケッチ帖 装丁
フリーズの数学 スケッチ帖 装丁
フリーズの数学 スケッチ帖 装丁

フリーズの数学 スケッチ帖 装丁

date. Jly 2022
project No. EX
category. Graphic Design Works

フリーズの数学 スケッチ帖 装丁

西山 享 著『フリーズの数学 スケッチ帖』(2022年07月11日/共立出版)の装丁デザイン。
フリーズとは帯のように並ぶ数字の繰り返しの配列のことで、日本ではじめて「フリーズの数学」を専門的に紹介する書籍とのことでした。
数学書の装丁は初めてでしたが、デザインに取り組み始め、取っ掛かりのなさにまず驚きました。数学は理念で成立している世界で、世の中の具象と何の関わりも持たない純粋さが美しさを持っている、と感じたからです。世の中の数学書の多くが漠然とした意味を持たないイメージで包まれているのも頷けます。冒頭で「フリーズは帯のように・・・」と書き表しましたが、それは概念を理解しやすいように補助的に表したものであり、縦に並べても、層を持った直線上に並べても成立するはずです。もしかすると2次元で表すことが適切でないかも知れません。

とはいえ装丁はその書籍の位置、社会的意義を表してしまうものです。何らかの具体にしなくてはなりません。
そこで、まずはフリーズの説明で使われる「帯」を利用し、書籍を三等分割した帯で包むことにしました。さらに日本で初とのことでしたので、フリーズの数学の可能性を照らす朝日のような位置にあると考えました。具体的には三段にタイトル/幾何/フリーズを置き、それぞれは朝の天空/朝日が照らす大地/大地の奥に眠る力の情景を表しています。
そもそも帯をモチーフとしたデザインであるので本の帯は白文字を載せた同色同デザインとし、カバーを取った書籍本体の表紙は奥に潜むフリーズの力強さとして三段最下段に表した濃赤としています。

日本でのフリーズを最初に紹介する本として、特徴的なイメージを与えておき、数学者の記憶に少しでも残すことができていれば嬉しく思います。

project title
フリーズの数学 スケッチ帖 装丁
date
Jly 2022
project No.
EX
program
Book Cover Design
photo
梅田 彩華
client
共立出版株式会社(https://www.kyoritsu-pub.co.jp