NISHIKAWA JAPANは、「あたらしい和のしつらえ」をテーマに、京都の西川貞三郎商店が新しく設立されたティーウェアブランドです。KATAは、そのブランドを体現するための初めの製品となるティーポット&ティーカップです。
ティーカップは、エッグシェルと呼ばれる光が透けるほど薄く軽い磁器です。美濃焼の産地にあった型から選び、釉薬と文様、透かしを指定しています。
ティーポットは、ティーカップとの取り合わせを考えて底の形状を同じ半球状にしています。伝統的な和酒器のひとつ燗瓶の形を参考にしながら幾何学的な比率とバランスに注意を払い、現代的な印象になるように形をつくりました。注ぎ口は、伝統的な急須で培われた液だれしにくい工夫を組み込むなど、伝統工芸のエッセンスを取り入れてデザインしています。
また、国内だけではなく海外にも通じるブランドとするため、ティーポットは大ぶりの容量で設定され、ステンレスの茶漉し、蓋は平置きできて茶葉の計量カップにするなど、西洋で求められる機能性も条件となり、それぞれを実現しています。
KATAシリーズは、カラーとパターンのバリエーションがあり、白色・翡翠色・桜色の3種と、七宝文様を繊細なレースのように施した2種の、計5種で展開しています。磁器本体は美濃焼の技術で製造されていますが、細工を施したステンレス製の把手は現代の精密金属加工技術で製造、新潟の燕三条で仕上げています。日本全国の伝統工芸や産業と、その組み合わせで実現したプロダクトです。
西洋からの要望も含めた現代のお茶の時間の演出を、日本の伝統の技術と知恵が実現する、そのようなインテグレーションが生まれ続け、国内外で認められるブランドに育っていくことを祈っています。