大阪の老舗あわおこし「粟新」の新商品シリーズのパッケージ。粟おこしは江戸時代の米の集積所として知られた大阪の銘菓。粟のように細かく砕いた米を煎って蜜で固め、歯ごたえと煎じた米の香ばしさを楽しむ和菓子である。粟新は米から仕入れて自前で深めに煎った香ばしいおこしを提供する、大阪でも唯一米からの手作りを続けている小さなお店である。
「香味煎菓」は色々な味のおこしを食べきりサイズの小さな袋に入れ、選んで買ったり詰め合せて贈答品にするための商品である。昔ながらの堅く大きなおこしである「穂の香」のパッケージに続き依頼を受けている。
ここでも大阪を表す形態を目指して、大阪時代(桃山時代)に現れた豪奢な嗜好のひとつ「片身替り」を引用し、右半分を白地、左半分を量感のある派手な絵を配した和紙の帯を巻いている。和紙は巻き易いように萎(しぼ)が付いた紙を選んでいる。色が乗らない部分もできるが、むしろ和紙の特性として同じ形にならない手作りに見る風情として考えている。
参考:大阪らしいデザインhttp://www.inuiyosuke.jp/ja/writing/id/10/3/