URL: http://www.eirakuya.co.jp
この仕事は現代においての日本の形を作ることを目指しています。僕が日本の伝統の造形の一つの特徴と考えている「重ね」で造形を統括しようと考えました。websiteは「吉」とされる右前(みぎまえ)で紙を重ねた造形としています。
永楽屋の姿勢である「京の食文化を創る」を示すことを考えて、「永楽二十四節気」と名付けた永楽屋の一年の仕事を紹介する写真集を作成しています。日本の季節「二十四節気」は文化を伴っています。その季節に合わせて、それぞれの文化に関わる素材や和菓子などを通じ、京の食文化により深く結びついた店となって欲しい、そしてそれをきちんと示しておきたいと考えてました。
二十四節気をこのウェブサイトの要にするため、重ねた面から少し覗いた色は「重ね色目」を参考に、その節気を表す色としました。おおよそ2週間ごとにその時節の日本の空気を感じるような色に変わって、日本の季節性と文化性を表そうとしています。
この永楽二十四節気の写真集は京都在住の写真家の梅田彩華さんに撮影して頂き、文は芸術家の岩淵拓郎さんに依頼して、方針を設定してからはそれぞれの視点から日本の文化を自由に捉えて頂きました。昨今嫌われがちな「作家性」を遺憾なく発揮して頂くことが自ずと永楽屋の持つ文化性と繋がっていくのではないか、と期待していました。
僕は芸術と経営は本来は同一であるべきだと考えており、分離しがちな状態を不健全だと感じてもいます。それらがごく自然に結ばれるようにあって欲しいと願っており、そのような状況を作ることを一つの課題に置いています。