僕はウェブ — コンピュータ・スクリーンに表示される状態 — の基本的なカタチは3種類だと考えている。すなわちスライドショウ、ムービー、そしてゲームの3つである。もちろんこれらの組み合わせも考えられるけれども、基本的なウェブの型はスライドショウだと考えている。(5秒ごとにスクリーン・キャプチャを撮って、並べて見ることを想像してもらえれば。)ウェブの場合は単一方向の紙芝居ではなく、順序は閲覧者の興味によって飛ばしたり、入れ替えたりすることできるスライドショウ、と捉えることができるように思う。
このウェブはクライアントの「スクロールバーが嫌いだ。」という依頼から始まった。つまり、OSデフォルトのスクロールバーがそのウェブのデザインにとって異質になってしまうこと、また終わりが定まらないズルズルとした状態が気持ち悪いということだった。これらの条件は純粋なスライドショウとしてのウェブのカタチを考える機会になったと考えている。
デザインはクライアントの「作品集」としてシート集のようなカタチ、または本として考えている。紙のように簡単に見せることを想定しつつ、写真を独立させることで作品を引き立てることを目指した。
またクライアント自身が彼の作品をプレゼンする際に、パワポのように簡単に提示できるようにとの配慮により、マウスを使わずに閲覧できるようにしている。例えば→は「次のページ」であり、←は「ブラウザバック」、スクロールバーがあれば↑↓でスクロール、スライドがあれば↑↓で画像を送ることができるようにしている。
(「第4回JWDA WEBデザインアワード 」奨励賞受賞)