古い建物の1階を改装するギャラリーの計画である。奥まったところでひっそりとアートを扱う、というのもロマンチックで良いのだけど、僕はこのギャラリーを街路のような場として捉え、街との関係が近くてそのまま連続していくような場を考えた。
壁面量を確保するために柱を囲う分厚い壁と天井まで達する壁の2枚の壁を立てて層状の空間をつくり、その間をひと続きの折り畳まれた空間として扱っている。折り返す箇所は少し広めの場所として利用し、様々に変わる展示物との距離を調整できることを意図している。また、層状の壁とそれによるひと続きの空間はそれぞれの場所で外部との距離が異なり、それによってできた関係に従ってそれぞれの機能を配してる。
ここでやろうとしたのは単純な壁の構成による街路のようにどこまでも続くような空間、それに少しの床の高低を操作して演出を加えている。