京都で清水焼を扱う株式会社西川貞三郎商店が毎年出展しているフランクフルトの展示会「Ambiente」の案内状。封書で送付するために三つ折りにした際、招待状の内容がひと目で分かるように、上部1/3で内容、裏面の下部1/3を補足情報などにしている。
2014年から関わらせて頂いているが、当時に立てた3ブランド「貞雲」「かより」「見立て」を充足する形で商品開発を続けている。狙った訳ではないが、2016年までの3年間でそれぞれ「貞雲」「かより」「見立て」の新商品を表紙とした案内状となった。このことは初年度に立てた3ブランドという方針がズレていなかったというひとまずの安堵を与えてくれ、同時にますます力強くなって行くことに今後も継続してブランドを育てる緊張感を感じている。特に伝統工芸品にとって、強過ぎるブランド規則は不都合が大きくなり過ぎる可能性があると感じている。この招待状も、写真を一枚背景に使い、その上に手紙として文章を掲載する緩やかな規則で成立させている。強い規則はデザイン性を高め、印象の操作も簡易になるが、そのようにしなかったのは伝統工芸の柔軟性に期待したいという思いを持っているためである。